沖縄角力(ウチナーズモウ)って知っていますか?
沖縄角力?初めて聞きました。日本相撲とどう違うの?
沖縄角力は日本相撲とルールも形も全然違うのよ。
・服装は「まわし」ではなく「柔道着」を着るし、
・「立ち合い」はなく、両手で相手の帯をつかみ、右四つに組んだ状態から試合が始まります。
・相手の背中を土俵に着ければ「1本」。土俵の外に出た場合や、手が地面に着いた場合は「勝負なし」となるので「押し出し」などはありません。
テレビで見る日本の大相撲と全然違うんだね。
そうなの。そして、久米島は沖縄角力のメッカといえるほど盛んで、1年間で6場所も行われるのよ。たぶん他には、こんな地域はないと思うわ。
試合へは当日のエントリーなので、あなたも出場できるわよ?
ぼくは力が弱いから…、柔道やってる友だち誘って参加してみようかな。
そうするといいわ。観戦がさらに楽しくなるはずよ
久米島での角力大会
沖縄では沖縄角力をシマーと呼び、角力力士をシマトゥヤーと呼んでいます。久米島では全島大会が年に5回と、久米島まつりで行われる大会(小・中・高校生の部)があります。一つの地域でこんなに多くの大会が開催される所はほかには無いと思います。全島大会は、各字の青年会が中心になって行われます。
西銘大会以外は、旧暦行事として取り組んでいるから、ほとんどの大会が平日に行われているのよ。
久米島の大会一覧
- 真謝稲穂祭全島角力大会【旧暦5月15日】
- 儀間志良堂蔵全島角力大会【旧暦6月25日】
- 謝名堂南謝門全島角力大会【旧暦6月26日】
- 西銘全島角力大会、西銘エイサー【8月第4日曜日】
- 久米島まつり
- 仲地全島角力大会【旧暦8月5日】
沖縄角力の基礎知識
土俵
直径7mの円(又は四角)の中に砂またはオガクズをまいて土俵を作りその中で競う。
立会
大相撲のように「立会」はなく、定められた帯の締め方、つかみ方で最初から右四つに組んで勝負を始める。
技
引き技、投げ技、掛け技などの型が定められている。
勝負
技をかけて相手の背中(両肩)を地面につけたら勝ち。土俵外に出ても手などが地面についても、横倒しになっても完全な勝負にはならない。試合時間は3分間の3本勝負。
禁止
試合の途中で、手を外して相手の逆手をとったり、襟をつかんだり、足を取って倒したり、顔面を叩くことは禁止されている。
観戦の心得
お祝儀
久米島での沖縄角力大会は、すべて無料で観戦できます。しかし、この大会はすべて島内企業の協賛金や地元の方々からの寄付金で運営されています。そのため地域の住民も角力大会を観戦する際は、祝儀を出す慣習があります。どの大会も受付があるので、そこで祝儀(一世帯1,000円~2,000円程度)を渡しましょう。祝儀袋には、住所氏名の記入も忘れずに。
お祝儀のお礼に、大会記念の泡盛(1合瓶)や飲み物、スナック菓子がもらえるのよ。大会記念の泡盛は、良いお土産にもなるわね。
席
席は自由席で、土俵の周りにブルーシートが敷かれています。あわせてパイプ椅子を準備している地域もありますが、パイプ椅子は足腰の悪い年配者用なので、足腰が丈夫な方はブルーシートに座って観戦しましょう。お年寄りを敬う沖縄では、どんな場面でも高齢者が優先なので、配慮をお願いします。
島を代表してお詫び
各地域の角力大会会場には駐車場がなく、島民のほとんどが路上に駐車して観戦しています。私たちにとっては日常風景で「今日は地域行事だから」と許容していますが、観戦予定のない観光の方から見ると「こんなに交通違反をして!」と腹立たしくなると思います。大変申し訳ございません。島内は公共交通機関が乏しく車社会ですが、普段の島内は交通量が少なく駐車場がほとんど整備されていません。そのため、地域行事や祝い事があると、路上駐車をすることになります。
大変申し訳ないのですが、島の事情の理解をどうぞよろしくお願いします。